クリム・テイル


 やはり、ポッカ島というド田舎の孤島に暮らしていた十七歳くらいの少女。

 どんぐり眼の童顔であるわりに体つきがむっちりしているので、DNDDはなんだか違和感があったのだが、そのうちこれこそクリムなんだろうと折り合うことに決めた。

 ベルジとシュウガが島を離れる前夜に交わしていた薄らじめっとした会話を盗み聞きし、「保護者役」として2人にくっついてマジェンガへ行くことを決意。ちなみにベルジ・シュウガ・クリム「きょうだい」の中で、彼女だけ人並みに勉強をしていたため、字が読める。



蛇足:

 しょっぱなこそ、得意の弓矢・説明&橋渡し役などでちょくちょくサブヒーロー的な活躍をしたものの、今となっては昔の話という感が否めない(2009年現在、3巻時点)。ついでにミト様☆ショックの影響もあって、女の子としての活躍さえ前途を折られた格好となっているのが哀れ極まっていると言えよう。

 とにかく体つきのむっちり加減は折り紙つき。ただし最近はギャグ的に3〜4頭身のぷちキャラで表されることが多いため、その魅力さえ瀬戸際である。しかも吉岡先生、小さくまめまめしい筆致が苦手なのか、ぷちキャラが毎回どことなくいびつで微妙に終わるのが残念2割り増しである。なのでコミックスおまけでひっぱられ続けているクリムダイエット四コマ漫画だが、ダイエットに成功しようものなら、クリムの乙女としてのプライドはいざしらずゼロクロファンの死活問題だと思うので、失敗し続けることを願ってやまない。

 基本からして根が素直で正直者。どこにも敵を作りそうにない。事実、マジェンガへ向かう船の中で大喧嘩したオバハンがいるのだが、マジェンカに着いた時点で、和解どころか涙ながらに別れの抱擁を交わすまでの仲となっていた。更に「クロイツ使い」を養成する学園の試験が「密林の魔獣を一匹したがえる」というものだったのだが、天性の目ヂカラと釣り橋効果でナンパに成功したベルジや、なにをどうやったのか投げ縄で化けライオンをねじ伏せたっぽいシュウガのようなアタッカー姿勢ではなく、プレゼント・求愛ダンス・添い寝と「憧れのあの子と、甘々チュッチュにくっつくまで」を絵に描いたかのような手なづけ方を披露している。弓矢はますますお蔵入りだ。

 ところで彼女、ポッカ島ではマジェンガ国という都会に憧れている風だったのに、いざマジェンガについたら買い物にもオシャレにも執着をみせず、事実としてどれも行動に移していない。ベルジが流行の服に衣装換えして目の前に現れたというのに「いいなー ずるーい」のひと言ふた言で済ませ、結局おのぼりさんの格好のままである。どうでもいいが、いたく腑に落ちないところだ。